全てはここから始まった
『ジョジョの奇妙な冒険』といえばスタンド能力を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし1巻では、まだ波紋法すら登場していません。
それでも読者を惹きつける力があるのが『ジョジョの奇妙な冒険』1巻の凄さです。
後に「ファントムブラッド」と呼ばれる第一部の始まりとなるこの巻には、シリーズの原点が詰まっています。
見どころ① ディオ・ブランドーの圧倒的な存在感
1巻最大の見どころは、やはりディオ・ブランドーです。
登場した瞬間に犬を蹴り飛ばし、ジョナサンの人生を侵略し始める姿は強烈なインパクトがあります。
読者は自然と「なんて嫌な奴なんだ」と感じますが、それと同時に目が離せなくなります。
エリナへのキスやジョナサンへの嫌がらせなど、次々と読者の感情を揺さぶる行動を取るため、ページをめくる手が止まりません。
ジョジョシリーズには数多くの魅力的な敵が登場しますが、その原点がこのディオです。
見どころ② 名セリフと名シーンの宝庫
ジョジョといえば独特な言い回しや印象的な擬音ですが、その多くは1巻の時点で既に完成されています。
「何をするだァーッ!」
「君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!」
そしてエリナとの有名なキスシーンで登場する擬音
「ズキュウウゥン」
など、後年まで語り継がれる名場面、名台詞が次々と登場します。
各話の冒頭やラストには特に印象的なセリフや演出が配置されており、読者の記憶に残る工夫が随所に見られます。
見どころ③ 読者を引き込む演出力
改めて読むと、荒木飛呂彦先生の演出力に驚かされます。
ページをめくる直前にキャラクターのアップを配置し、次のページで大きなコマを使ってインパクトを与える。
現在ではよく見る手法ですが、当時の少年漫画の中ではかなり印象的だったのではないでしょうか。
また人物を描く構図も独特で、普通の会話シーンですらどこか印象に残ります。
後のジョジョ立ちへと繋がるような感覚を既に感じることができます。
ダニーのエピソードは覚悟して読んでほしい
1巻の中でも特に辛いのがダニーのエピソードです。
犬好きの人ほど読むのが苦しくなる場面だと思います。
実際に私の周囲でも、このシーンがあまりにも辛くて読むのをやめてしまった人がいました。
それほど強烈な場面ですが、この悲劇があるからこそジョナサンとディオの対立が単なるケンカではなく、人生を賭けた戦いへと変わっていきます。
読むのは辛いですが、ぜひ乗り越えて先へ進んでほしい場面です。
波紋もスタンドもない。それでも面白い
現在のジョジョを知っている読者からすると、1巻はまだ序章に過ぎません。
波紋法もありません。
スタンドもありません。
それでもここまで面白いのは、ジョナサンとディオという二人の関係性が圧倒的に魅力的だからです。
後に続く壮大なジョースター家の物語。
その全ての始まりがこの1巻にあります。
ジョジョシリーズを読んだことがない人はもちろん、既に読んだことがある人にも改めて手に取ってほしい一冊です。


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