物語構造分析

物語構造分析

ウリッコは「努力の物語」じゃない。時間を潰す漫画だ。

この漫画を読んで一番最初に思ったのはこれだった。「これ、夢をかなえるとかの話じゃないな」主人公のキズミは漫画を描く。でも理由が普通じゃない。好きだからでも、なりたいからでもない。評価されたいからですらない。時間が潰れるから描いている。これが...
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なぜキズミは漫画をやめて、また描き始めるのか

はじめにキズミは一度、漫画をやめている。理由は単純で、そっちの方が稼げるから。でもまた描き始める。ここに、この作品の一番大事な部分がある。漫画より稼げる仕事はあるキズミにとって、パパ活は「効率のいい仕事」だ。・短時間で稼げる・努力がいらない...
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人間関係が“広がる”だけで、こんなに心地いい|『スキップとローファー』の読後感

はじめに大きな事件が起きるわけじゃない。劇的な展開があるわけでもない。それなのに、読み終わったあとにふと感じる。「ああ、なんかいいな」スキップとローファー の1巻には、そんな不思議な心地よさがある。その正体はきっと、“人間関係が広がっていく...
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キモオタ客だけが悪いわけじゃない。『みいちゃんと山田さん』の地獄

『みいちゃんと山田さん』を読んでしんどくなる理由は、みいちゃんの境遇が可哀想だからだけではありません。もっと嫌なものがあります。それは、この作品に出てくる「悪意」があまりにも現実的な形をしていることです。分かりやすい悪人が出てきて、殴って、...
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なぜ『住みにごり』は刺さるのか|停滞する社会との共鳴

これは特殊な家族の物語なのか?一見すると『住みにごり』は、問題を抱えた一家の閉鎖的な物語に見える。だが読み進めるほど、「どこかで見た構造」だと気づく。極端なのは出来事ではなく、“変わらなさ”のほうだ。停滞は個人の問題ではなく、構造の問題この...
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なぜ住みにごりは不安になるのか|心理構造を分析する

※ネタバレは控えめです何が起きるか分からないを怖さとしてない住みにごり多くのサスペンスやホラーは、“何が起きるか分からない”ことを恐怖の源にする。予測不能性が読者を不安にさせる。しかし『住みにごり』は少し違う。この作品の不穏さは、予測不能性...
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NARUTOの発明「スリーマンセル」が凄い|なぜ3人+上忍1人なのか

小学生の頃にNARUTOを読んでいた時、スリーマンセルという制度を深く考えたことはありませんでした。「ナルトたちは3人1組なんだな」くらいの感覚で、自然に受け入れていたと思います。しかし社会人になって読み返すと、このスリーマンセルこそがNA...
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カカシ先生の口調が「ござる」だったらNARUTOは成立しない?キャラ構造から検証

もしカカシ先生が「ござる」口調だったら、第七班の空気は今とは大きく違っていたかもしれません。なぜならカカシの軽い口調は、個性の強い三人をまとめる“緩衝材”の役割を果たしていたからです。口調ひとつで物語の温度は変わります。NARUTOの1巻を...