『夢中さ、きみに。』は“何も起きないのに面白い”を極めた短編集

漫画レビュー


2021年のドラマで知って面白いと思い、原作を購入。


──ただ、そこからなぜか5年放置。


ようやく手に取って読んでみたら、


「なんでもっと早く読まなかったんだ」と思った作品だった。


夢中さ、きみに。は、全8話で構成された短編集。


派手な展開はない。


泣けるわけでも、熱いわけでもない。


でも、なぜか“ずっと読んでいられる”。


その理由はシンプルで、


「変な人間を、変なまま描いている」からだと思う。

共通している魅力は“ズレ”の面白さ

この作品に出てくるキャラクターは、どこかズレている。


たとえば林美良。


変な奴なのに、本人はそれを全く気にしていない。


たとえば二階堂。


クラスでは怖がられているのに、過去を知るとむしろ愛おしい。


この“ズレ”が、


笑いにもなるし、共感にもなる。

笑わせようとしていないのに笑える


この短編集の特徴は、

「笑わせに来ていないのに笑える」こと。


例えば、

  • 看板の文字を抜き取る遊び
  • SNSの奇妙な使い方
  • 妙にリアルな学生の距離感

どれも大げさじゃない。

でも妙に“分かる”。

この“ちょうどいい違和感”がクセになる。

前半と後半で少し空気が変わる

前半4話は、比較的ライトで観察系の面白さが強い。

後半4話は、

クラスの嫌われ者にあえてなっている二階堂を中心にキャラクター同士の関係性が深くなる。

ここで初めて、

ただの短編集”から一歩進んだ印象になる。

まとめ:日常がちょっと面白くなる漫画

『夢中さ、きみに。』は、

人生を変えるような作品ではないかもしれない。

でも、

「日常の見え方を少しだけ変える力」は確実にある。

退屈な毎日でも、

視点を少し変えれば面白くなるかもしれない。

そんなことを、押しつけがましくなく教えてくれる作品。

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