漫画レビュー

なぜ『スキップとローファー』は3ヶ月を一瞬で進めるのか

「この漫画、時間の進み方が妙に早い」2巻を読み返していて、ふとそう思った。気になって確認してみると、この1冊の中で、物語は約3ヶ月も進んでいる。4月の少し肌寒い日から始まり、ゴールデンウィークを越え、気づけば梅雨入り、そして梅雨明け。普通の...
漫画コラム

なんでこのシーン、こんなに好きなんだろう。

なんでこのシーン、こんなに好きなんだろう。物語的に重要なわけじゃない。伏線でもないし、名言があるわけでもない。ストーリーが大きく動く場面でもない。それなのに、なぜかずっと頭に残っている。スキップとローファーの1巻、カラオケのシーン。山田が、...
漫画コラム

努力しない強さは、なぜ読者に刺さるのか

「努力は裏切らない」そう信じてきたし、漫画もそう描かれてきた。才能がなくても、積み重ねれば強くなる。少年漫画はずっとその構造の上にあったと思う。でも最近、少し違和感がある。努力しているキャラよりも、どこか“力の抜けたキャラ”の方が印象に残る...
物語構造分析

ウリッコは「努力の物語」じゃない。時間を潰す漫画だ。

この漫画を読んで一番最初に思ったのはこれだった。「これ、夢をかなえるとかの話じゃないな」主人公のキズミは漫画を描く。でも理由が普通じゃない。好きだからでも、なりたいからでもない。評価されたいからですらない。時間が潰れるから描いている。これが...
物語構造分析

なぜキズミは漫画をやめて、また描き始めるのか

はじめにキズミは一度、漫画をやめている。理由は単純で、そっちの方が稼げるから。でもまた描き始める。ここに、この作品の一番大事な部分がある。漫画より稼げる仕事はあるキズミにとって、パパ活は「効率のいい仕事」だ。・短時間で稼げる・努力がいらない...
漫画レビュー

ウリッコ1巻レビュー|「時間が進まない人生」を描いたリアルすぎる漫画

はじめに『ウリッコ』1巻を読んだ。正直に言うと、読みやすい作品ではない。でも、妙に目が離せない。その理由はこの作品が“人生の停滞”をとても具体的に描いているからだ。あらすじ主人公・キズミはネットカフェで寝泊まりしながら、パパ活で日銭を稼ぐ生...
漫画コラム

努力をやめた瞬間、漫画は読者に一歩近づく

はじめに少年漫画は努力を続けるジャンルだと思う。才能があってもなくても、努力を重ねれば前に進む。多くの物語はそうなっている。でも、漫画を読んでいて妙に記憶に残るのは、努力を続けた瞬間ではなく、努力をやめた瞬間だったりする。大切な存在を失った...
キャラ考察

なぜケンショーはハマるのか|“夢を聞かれた夜”に感じたこと

はじめに『るなしい』のケンショーを見ていて、はっきりと思い出した夜がある。あのとき、自分も同じ場所に立っていた。違いがあるとすれば、一歩踏み込む前で引き返したかどうか、それだけだった。ホームパーティーの違和感知人に誘われて、ホームパーティー...
キャラ考察

るなしい考察|郷田るなは本当に“神の子”なのか

はじめに『るなしい』を読んでいて、最初はこう思っていた。これは信者ビジネスの話だと。仕組まれた嘘で、人を引き込んでいく物語だと。でも、1巻の最後でその前提が揺らぐ。「全部嘘」と言い切れなくなる瞬間がある。郷田るなは、本当に“神の子”なのか。...
漫画レビュー

るなしい1巻レビュー|“信じる前の隙”に入り込む、不気味な漫画

はじめにこの漫画には、はっきりとした怖さはない。それでも、読んでいると妙に落ち着かない。どこかで「これは現実でも起こりうるのではないか」と感じてしまう。『るなしい』は信者ビジネスを題材にした作品だ。ただし、その描き方はとても静かで、そして不...