※この記事は『呪術廻戦≡』2巻の内容に触れています。
『呪術廻戦≡』2巻では、ドゥーラやダブラ、マル、乙骨憂花など、それぞれの信念を持つ人物が描かれました。
その中でも私が最も印象に残ったのはクロスです。
1巻では冷たく合理的な人物という印象でしたが、2巻を読んでその見方は大きく変わりました。
クロスは、シムリア星人の中で最も人間らしい人物なのかもしれません。
冷たい人物ではなかった
1巻のクロスは、感情よりも合理性を優先する人物に見えました。
しかし2巻では幼少期のエピソードが描かれ、その印象は大きく変わります。
ドゥーラの教えを理解できなかったクロスは、運河建設を邪魔する相手を力でねじ伏せました。
ですが、村人たちが協力し始めたことで、自分の考えが間違っていたことに気付きます。
そして、自ら相手に頭を下げて謝罪しました。
自分が納得したことに対しては、素直に非を認める。
この姿勢は、とても人間らしく映りました。
ドゥーラから受け継いだもの
クロスが変わるきっかけとなったのは、ドゥーラという存在です。
ドゥーラは敵対する民族ですら「隣人」と呼びました。
やられたらやり返す。
その繰り返しでは争いは終わらない。
だからこそ、誰かが最初に歩み寄らなければならない。
その考え方は、運河建設という行動にも表れています。
敵のために見える行動も、巡り巡って自分たちの未来へ返ってくる。
クロスは、その意味を身をもって理解しました。
だからこそ謝罪できたのでしょう。
マルが知った「手を抜く」という優しさ
2巻ではマルの成長も印象的でした。
真剣との戦いを経て、マルはダブラがドゥーラとの決闘で全力を出さなかった理由を理解します。
兄弟を失う恐怖。
友人を失う恐怖。
その感情を自分自身が味わったことで、ダブラの苦しみや葛藤が少しずつ見えるようになりました。
ドゥーラを傷つけたくない。
それでも戦わなければならなかったダブラ。
敵だった人物の行動を、自らの経験を通して理解していくマルの姿は、大きな成長を感じさせます。
強くなることだけが成長ではありません。
相手の気持ちを理解できるようになったことも、この2巻で描かれたマルの大きな成長だったのではないでしょうか。
死の淵でも他者を守る乙骨憂花
2巻で最も活躍した人物を挙げるなら、私は乙骨憂花だと思います。
シムリア星人との文化交流では自然に打ち解け、地球側とシムリア側をつなぐ存在として振る舞っていました。
そして決闘では、命を懸けて地球側の代理人を務めます。
特に印象に残ったのは、決闘代理人に選ばれた場面です。
「なぜ乙骨憂花なのか?」という疑問が真っ先に浮かびました。
同時に、彼女の表情からは着実に死が近づいていることも伝わってきます。
それでも自分ではなく他者のために前へ進む姿は、乙骨憂花という人物の強さを物語っていました。
まとめ
『呪術廻戦≡』2巻では、多くの人物がそれぞれの信念を貫きました。
ドゥーラは「隣人」という思想を遺し、マルは敵の心を理解するまで成長し、乙骨憂花は死を覚悟しながらも地球を背負います。
その中で私が最も心を動かされたのはクロスです。
最初は冷たく見えた人物が、自分の間違いを認め、頭を下げ、ドゥーラの教えを受け継いでいく。
その姿は、シムリア星人でありながら誰よりも人間らしく感じられました。
2巻を読み終えた今、クロスという人物の見え方は、1巻とはまったく違うものになっています。


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