※この記事は1巻時点の内容を中心に書いています。重大なネタバレは避けています。
『みいちゃんと山田さん』を読んで一番頭から離れないのは、みいちゃんを殺した犯人が誰なのかということです。
第1話の冒頭で山田さんは、みいちゃんの墓前に手を合わせています。
つまり読者は最初から、みぃちゃんが死ぬことを知った状態で物語を追うことになります。
しかも第1話ラストには「みいちゃんが殺されるまで12ヶ月」という文字。
この時点で目が離せません。
まず前提として、この漫画は分かりやすい悪人が殴って蹴って終わり、という作品ではありません。
誰もが「ちょっとした言葉」や「軽い態度」でみいちゃんを削っていきます。
だから犯人も、異常な怪物ではなく、もっと身近な人間なのかもしれません。
1巻時点で分かりやすく怪しいのはキモオタ客です。
みいちゃんにぬいぐるみを渡し、そこにカメラと盗聴器を仕掛けていました。
悪意が露骨で怖い。ただ露骨すぎて、逆にミスリードにも見えます。
次に怪しいのは、みいちゃんが働く「店の空気」です。
この店には、みいちゃんを守ってくれる仕組みがほとんどありません。
誰かが強く止めてくれるわけでもなく、異常な客を排除するわけでもない。
みいちゃんは危ういのに、危ういまま放置されてしまう。
そして一番考えたくないのが山田さんです。
冷静で観察できる人だからこそ、何かを隠しているようにも見える。
もちろん決定打はありませんが、「可能性ゼロではない」と思わせる不気味さがあります。
さらに近い存在としてみいちゃんの彼氏も候補に入ります。
こういう作品では、外からの悪意より、近い場所の悪意が致命傷になることがあります。
結局、1巻時点では誰が犯人でもおかしくない。
そしてもっと怖いのは、犯人が「1人ではない」可能性です。
みいちゃんは誰か1人に殺されるというより、周囲の空気に削られて死んでいくようにも見えます。
犯人を探しているはずなのに、読んでいるうちに「誰が犯人でも納得してしまう」ことが一番怖い。
『みいちゃんと山田さん』はそういう漫画でした。


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