『呪術廻戦≡』は「繰り返し」の物語なのか|1巻に散りばめられた反復構造を考察

物語構造分析

『呪術廻戦≡』には「繰り返し」が多い1巻を読んでいて気になったのが、 作中で何度も“繰り返し”が描かれている事です。

  • 毎年1年生を繰り返す子供
  • 人が争いを繰り返す世界
  • 人から奪う事の反復
  • マルとクロスの入れ替わり
  • 同じような悲劇の再演

タイトルの「≡(モジュロ)」も含めて、 本作は循環や反復を意識しているように見えます。

「毎年1年生」の不気味さ

第4話の“毎年1年生を繰り返す小学生”は、 かなり象徴的でした。

しかも正体は、 高齢の呪詛師。

本来なら成長するはずの子供が、 永遠に同じ学年を繰り返している。

これはホラー演出であると同時に、 本作全体のテーマ提示にも見えます。

つまり、 この世界では人類そのものが成長出来ていない。

人類は対立を繰り返している

第2話で、 宇宙人を抑止力として利用する構図が描かれます。

地球規模の戦争回避。

しかし、 それを実行しているのは大人達で、 背負わされるのは子供達です。

ここにも“繰り返し”があります。

大人が問題を作り、 子供が犠牲になる。

憂花の

「人を憎むのも、人から奪うのも簡単だよ」

という言葉は、 人類が同じ失敗を続けている事への諦めにも聞こえます。

マルとクロスは「分裂した存在」なのか

マルとクロスの関係も興味深い。

術式を共有し、 時には入れ替わる。

しかもその描写がかなり曖昧です。

これは単なる演出ではなく、 “個人の境界線の曖昧さ” を描いている可能性があります。

つまり、 マルとクロスは別人でありながら、 同じ存在でもある。

「繰り返し」や「反復」がテーマなら、 2人は互いを反射する鏡のような存在なのかもしれません。

暴走は「理」の崩壊かもしれない

第6話でマルが使用した 「理」の撹拌。

これがかなり重要そうです。

もし“理”そのものを乱す術式なら、 本作は単なる能力バトルではなく、

「世界のルールそのもの」

を扱う物語になります。

だから敵も味方も、 どこか現実感が薄い。

理屈で理解する前に、 世界そのものが揺らいでいる。

『呪術廻戦≡』は未来の話だから意味がある

本作は2086年が舞台です。

しかし、 未来技術を見せたい作品ではありません。

むしろ、 未来になっても人類は変われていない事が重要。

争いも、 恐怖も、 搾取も繰り返している。

その中でマルや憂花が 「終わらせたい」 と願っている。

だから『呪術廻戦≡』は、 バトル漫画でありながら、 “人類の停滞”を描く物語にも見えます。

まとめ

『呪術廻戦≡』1巻は非常に難解です。

ですが、 「繰り返し」 という視点で読むと、 物語全体に一本の筋が見えてきます。

人類は同じ過ちを繰り返す。

だからこそ、 マル達はその連鎖を止めようとしている。

本作は、 呪いや能力ではなく、 “終わらない対立” そのものと戦っている作品なのかもしれません。

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