漫画レビュー

林という“変な奴”がすべてを成立させている 夢中さ、きみに。

前半4話を読んでまず思うのは、「林、なんなんだこいつ」でも同時に、この違和感こそが作品の核だと気づく。「かわいい人」:違和感の提示最初の1話で出てくる林は、とにかく変。でも、この“変さ”は説明されない。だから読者は考える。「この人、なんなん...
漫画レビュー

『夢中さ、きみに。』は“何も起きないのに面白い”を極めた短編集

2021年のドラマで知って面白いと思い、原作を購入。──ただ、そこからなぜか5年放置。ようやく手に取って読んでみたら、「なんでもっと早く読まなかったんだ」と思った作品だった。夢中さ、きみに。は、全8話で構成された短編集。派手な展開はない。泣...
物語構造分析

なぜ“成功”がこんなに気持ちいいのか|トリリオンゲームの物語分析

成功する物語は多い。努力して、失敗して、乗り越えて、勝つ。いわゆる王道の構造だ。だが、トリリオンゲーム1巻は少し違う。この作品では、“成功までの苦しさ”がほとんど描かれない。それなのに、成功の瞬間だけは強烈に気持ちいい。この違いはどこから来...
キャラ考察

なぜハルの無茶は成立するのか|トリリオンゲームキャラ考察

トリリオンゲームのハルは、かなり異質なキャラクターだ。無茶なことを言う。平気でハッタリをかます。リスクの高い選択を、迷いなく選ぶ。普通なら「危ないやつ」で終わるはずの人物だ。それなのに、なぜか全部うまくいく。そして読者は、その姿を“気持ちい...
漫画レビュー

「努力を努力に見せない」|トリリオンゲーム1巻レビュー

「努力すれば成功する」そんな物語に、少し飽きていないだろうか。トリリオンゲームの1巻は、一見その真逆に見える。ハッタリ、ワガママ、無茶な戦略。とても“努力”とは呼べないやり方で、物語は進んでいく。だが読み進めるほどに気づく。この作品の面白さ...
漫画コラム

キャラを説明するモノローグが、どうしても好きになれない

漫画を読んでいて、少しだけ引っかかる表現がある。「〇〇は、冷静で理論的な人間である」「××は、誰よりも仲間思いな男だ」そんなふうにキャラクターの性格や立場を、モノローグで“説明する”場面だ。間違っているわけじゃないし、むしろ分かりやすいとも...
漫画コラム

空気が読める人が、物語をつまらなくする瞬間がある

「空気が読める人」は、だいたい好かれる。場の温度を下げないし、誰かが嫌な思いをする前に、さりげなく調整してくれる。現実では、間違いなく“正しい人”だと思う。でも、漫画を読んでいると、そういう人に対して、少しだけ引っかかる瞬間がある。「この人...
キャラ考察

なぜ『スキップとローファー』に白井と柴本は存在するのか

コーンスープみたいに優しいこの漫画に、なぜあの2人がいるのか。読み返すほどに、この違和感は強くなる。『スキップとローファー』には、はっきりとした悪役がほとんどいない。少し嫌な印象を持つ人物が出てきても、後から別の側面が描かれて、その印象は薄...
キャラ考察

志摩くんは本当にいいやつなのか?

『スキップとローファー』2巻の違和感『スキップとローファー』を読んでいると、志摩くんは“いいやつ”として描かれている。実際、感じもいいし、空気も読める。でも2巻を読んでいて、少し引っかかった。あまりにも“都合よくいいやつすぎる”。好感度が上...
漫画レビュー

なぜ『スキップとローファー』は3ヶ月を一瞬で進めるのか

「この漫画、時間の進み方が妙に早い」2巻を読み返していて、ふとそう思った。気になって確認してみると、この1冊の中で、物語は約3ヶ月も進んでいる。4月の少し肌寒い日から始まり、ゴールデンウィークを越え、気づけば梅雨入り、そして梅雨明け。普通の...