※この記事は『呪術廻戦≡』3巻の重大なネタバレを含みます。
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はじめに
『呪術廻戦≡』3巻は、これまで積み重ねてきた物語を見事に回収しながら、新たな未来へと繋げた最終巻でした。
本編『呪術廻戦』のキャラクターたちのその後が描かれるだけでも胸が熱くなりますが、それ以上に心を震わせたのが最終話で虎杖悠仁が語ったある決意です。
「俺 死んだら呪物になるわ」
この一言によって、『呪術廻戦』という物語の始まりと、『呪術廻戦≡』の終わりが一本の線で結ばれました。
本編は虎杖が呪物を食べたことで始まり、本作では虎杖自身が未来の呪物になることを目指す。
物語が終わることで、また新たな始まりへと繋がる。
まさに『廻戦』というタイトルの通り、物語そのものが循環する構造になっていることに鳥肌が立ちました。
ダブラという「戦士」の完成
3巻で最も印象に残った人物は間違いなくダブラです。
これまで圧倒的な強さを持ちながら、どこか「戦う理由」を見失っていた彼。
しかし摩虎羅との死闘の中で、
「戦わなきゃいけないから戦う。それが『戦い』。それができる者が『戦士』なんだ。」
という境地へ辿り着きます。
負けるかもしれない恐怖を初めて知り、それでも前へ進む。
反転術式を戦闘中に習得し、新たな可能性を試し続ける姿は、まさしく成長する主人公そのものでした。
最終話で地球へ戻ってきたことを示唆する描写まで用意されていたのも嬉しいポイントです。
物語が終わっても、彼の旅はまだ続いているのだと感じられました。
圧巻だった領域展開
3巻で最も印象に残ったシーンは、ダブラの領域展開です。
見開きいっぱいに描かれたその一枚は、思わずページをめくる手が止まるほどの迫力でした。
領域展開そのものの演出はもちろん、そのスケール感や描き込みの密度も圧倒的。
「ああ、ここまで到達したのか。」
そんな感動を覚えた名シーンでした。
マルが願った「調和」
もう一人忘れてはいけないのがマルです。
混沌と調和という術式を持つ彼が最後に目指したものは、人類から呪力を可能な限り取り除き、呪霊が生まれにくい世界を作ることでした。
しかし虎杖は、その理想だけでは世界は救えないと指摘します。
だからこそ二人は対立するのではなく、お互いの考えを持ち寄りながら答えを探していく。
最後にキャッチボールをしながら未来について語り合うシーンは、この作品らしい穏やかな締めくくりでした。
戦って終わるのではなく、「話し合う」ことで未来へ進む。
それこそが『呪術廻戦≡』という作品が最後に伝えたかったことなのかもしれません。
少しだけ惜しかった点
唯一惜しいと感じたのは、ダブラと摩虎羅の決着です。
ダブラが壮大な領域展開を披露したあと場面が切り替わり、次に登場した時にはすでに戦いが終わっていました。
ここまで熱量の高い戦闘だっただけに、摩虎羅をどう倒したのか、その決定的な瞬間まで描いてほしかったというのが正直な感想です。
限りなく満点に近い作品だからこそ、あと一歩だけ見たかった場面でした。
総評
『呪術廻戦≡』3巻は、本編へのリスペクトを感じさせながら、新たな未来を描いた素晴らしい最終巻でした。
ダブラの成長、マルの願い、虎杖悠仁の覚悟。
それぞれが未来へ向かって歩き出す姿は、読後に爽やかな余韻を残してくれます。
そして何より、本編の始まりと終わりが循環する構成には思わず唸らされました。
『呪術廻戦』という物語を愛してきた人ほど、このラストは深く刺さるはずです。
最後まで読み終えたあと、「明るい未来」という最終話のタイトルが、これほど似合う作品もなかなかないと感じました。
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