【トリリオンゲーム7巻レビュー】情報インフラを手に入れた巻|信頼が金を生むことを証明した7巻

漫画レビュー

※この記事は『トリリオンゲーム』7巻のネタバレを含みます。

トリリオンゲーム7巻は「情報インフラを手に入れた巻」だった

トリリオンゲーム7巻を一言で表すなら、「情報インフラを手に入れた巻」でした。

これまでのトリリオンゲームは、ソシャゲや芸能事業など、お金を稼ぐための勝負が中心でした。

しかし、7巻で彼らが手に入れたのは、お金以上に価値のあるものです。

それが「人々の信頼」です。

ニュースを届ける媒体として信用を獲得し、人々の生活を支える存在になりました。

この巻を境に、トリリオンゲーム社は単なるベンチャー企業ではなく、社会を動かす存在へと変わったように感じます。


ハルのハッタリが、ついに本物になった

7巻を読んで改めて感じたのは、ハル自身も成長していることです。

序盤でハルは、

「ハッタリと中身、両輪が揃った時に爆発する」

という考えを口にします。

これは過去のソシャゲ事業の経験から学んだことでもあります。

これまでのハルは、とにかく大きなハッタリで道を切り開く人物でした。

しかし、今は違います。

報道の中身を充実させることにも力を入れている。

一般人の動画に謝礼を出したり、皇興業と連携したりと、地道な積み重ねも忘れていません。

ハッタリだけではない。

中身だけでもない。

両方が揃ったことで、トリリオンTVは大きく成長していきました。

ハル自身もまた、一歩成長したように感じました。


ミスリル工業との駆け引きが最高に面白い

7巻前半の見どころは、ミスリル工業との戦いです。

スポンサーからの圧力で報道が差し替えられそうになる展開は、かなり緊張感がありました。

特に50話の会食シーンは圧巻です。

ハルは新品のミスリルフォンをテーブルに置き、

「隣の部屋に週刊誌の記者がいて、全て録音している」

と伝えます。

しかし、これは読者に対しても仕掛けられたハッタリでした。

実際には誰もいません。

しかも、そのスマホは実験で壊してしまったあかりのスマホの代わりとして渡す予定だったもの。

最後まで読者を騙し切る演出は、本当に見事でした。

そして結果的に、ミスリル工業の信頼も上がるという誰も損をしない着地になったのも素晴らしかったです。


「俺らの創った情報インフラ」が7巻最大の名シーン

7巻最大の見せ場は、51話のラストです。

記録的な台風が日本を横断し、街が停電します。

その中でも、人々はスマホでトリリオンTVの情報を受け取っていました。

屋上から見えるのは、真っ暗な街に浮かぶ大量のスマホの灯り。

その光景を見ながら、ハルはこう言います。

「俺らの創った情報インフラ」

このシーンは、トリリオンゲームの中でも屈指の名場面だと思います。

これまでの積み重ねが、一気に報われた瞬間でした。

そして偶然起きた記録的な台風も含めて、ハルは運まで味方につけています。

運も実力のうちと言いますが、まさに主人公そのものです。

見開きいっぱいに描かれたハルとガクの姿は、本当に格好良かったです。


桐姫との全面戦争がついに始まる

後半では、桐姫率いるD-REXジャパンとの戦いが本格化します。

特に印象的だったのが、桐姫の考え方です。

ハルが相手の弱点を探しているのに対し、桐姫は相手の強みを探しています。

同じ天才でも、視点が全く違うところが面白いです。

そして、その分析力はさすが桐姫。

皇興業こそがトリリオンTVの強みであり、同時に弱みでもあることをすぐに見抜きます。

さらに年間2200億円もの広告案件を提示するスケールの大きさ。

相変わらず桐姫は規格外です。

そんな桐姫を相手にしても、ハルは全く怯みません。

むしろ、さらに大きなギャンブルを仕掛けていきます。


スタジオ独占作戦のスピード感が最高だった

個人的に一番好きだったのは、54話のスタジオ独占作戦です。

最初は実写版プチプチランドを制作するためにスタジオを借りているのかと思いました。

しかし、それは表向きの理由でした。

本当の狙いは、D-REXが大型ドラマを制作するための撮影スタジオを全部押さえること。

さらには物流倉庫まで先回りして借りてしまう徹底ぶり。

このスピード感が本当に面白いです。

「ドラマを作る」のではなく、「ドラマを作らせない」。

この発想の転換こそがハルの恐ろしさだと思いました。


まとめ|7巻は「信頼」が最強の武器になった巻だった

7巻は、お金を稼ぐ物語ではありませんでした。

信頼を積み重ね、その信頼を武器に変えた物語です。

ミスリル工業の不具合報道によってトリリオンTVは大きな信頼を獲得し、その信頼は大口の広告案件という形で返ってきました。

まさに「信頼が金を生む」ことを証明した巻だったと言えるでしょう。

そして、その先にあったのが「情報インフラ」という新たなステージでした。

さらに桐姫との全面戦争も始まり、最後はまさかのプロポーズで締めくくられます。

これまででも十分面白かったトリリオンゲームですが、7巻は物語のスケールが一段階上がった巻でした。

8巻では、ハルのイカれた全賭け(オール・イン)がどんな結末を迎えるのか楽しみです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました