『トリリオンゲーム』3巻レビュー|ハルが“悪”へ踏み込んだ巻

漫画レビュー

『トリリオンゲーム』3巻は「成功物語」の爽快感と「犯罪スレスレ」の危うさが一気に噛み合い始める巻だった。


ホストクラブ向けの花事業「ヨリヌキ」から始まり、 ソシャゲ開発、 芸能事務所買収へ。


ハルの野望は、ついに“メディア帝国”へ向かって動き出す。


しかし、その方法はあまりにも危険だった。


偽の経歴。 捏造されたSNS。 投資家を騙すハッタリ。 そして株価暴落を利用した脅迫。


3巻のハルは、 これまで以上に“ワル”である。


それでも読者は、 なぜか彼の勝負にワクワクしてしまう。


本記事では、『トリリオンゲーム』3巻の面白さを、 「リアリティ」 「ハルの危うさ」 「引きの強さ」 の3つを中心に語っていきたい。

ホスト業界のリアリティが異常に細かい


3巻冒頭は、 ハルとガクが歌舞伎町のホストになるところから始まる。


ここで面白いのは、 単なる“派手な世界”として描かないことだ。

  • テーブルは常に綺麗に
  • タバコ1本ごとに灰皿交換
  • 新しい灰皿を被せて手前に引く
  • 凹みを女性側に向ける

こうした細かな所作まで描くことで、 ホスト業界に強烈な説得力を持たせている。

特に、 「灰皿交換」の描写は、 知らない世界を覗き見している感覚が強かった。

このリアリティがあるからこそ、 ホストクラブに大量の花需要があることも自然に理解できる。

そして、そのまま「ヨリヌキ」の成功へ繋がっていく。

『トリリオンゲーム』は、 毎回“ビジネスの繋げ方”が本当に上手い。

ハルはもう完全に“危険人物”

3巻で特に印象的だったのは、 「世界の堀本」騒動だ。

実在しない有名クリエイターを捏造し、 SNSアカウントまで偽装。

投資家から20億円を引っ張る。

冷静に考えるとかなり危険である。

しかもハルは、 悪事を悪事として迷わない。

「ソシャゲに必要なのは宣伝」 という目的のためなら、 手段を選ばない。

ただ面白いのは、 ハルが“努力しない天才”ではないことだ。

任天堂やソニー、 さらにはライバル会社であるドラゴンバンクにまで地道に営業をかけ続ける。

派手なハッタリの裏で、 泥臭い行動もちゃんとやっている。

だから読者は、 「こんなの絶対無理だろ」 と思いながらも、 成功した時にカタルシスを感じてしまう。

3巻は「引き」が異常に強い

3巻ラスト。

ハルは、 ゴッド・プロモーション買収のため、 ソシャゲ予算20億円を全額提示する。

普通なら正気じゃない。

しかも、その20億は投資家から集めた出資金だ。

ハッタリなのか。 本気なのか。

わからないまま3巻は終わる。

この作品は毎回、 「次を読まずにいられない終わり方」が本当に上手い。

特に3巻は、 “成功”よりも“暴走”への期待で読ませる。

だから続きが気になって仕方ない。

まとめ

『トリリオンゲーム』3巻は、 物語のスケールが一気に拡大した巻だった。

ホスト業界、 花業界、 ソシャゲ、 芸能界。

ハルは、 金を稼ぐだけではなく、 “人の注目を支配する側”へ進み始める。

そして同時に、 そのやり方はどんどん危険になっていく。

爽快なのに怖い。

この“危うさ”こそ、 3巻最大の魅力だった。

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