トリリオンゲーム5巻人物分析|ハルはなぜ未来への道筋を描けるのか

キャラ考察

ハルの凄さは未来を想像することではない

トリリオンゲーム5巻を読んでいて改めて感じたのは、ハルの異常なまでの先読み能力だ。

ただ、ハルの凄さは成功する未来を想像できることではないと思う。

成功したい。

お金持ちになりたい。

有名になりたい。

こうした未来を思い描くこと自体は誰にでもできる。

本当に難しいのは、そこへ辿り着くまでの道筋を考えることだ。

ハルはその道筋を描く能力がずば抜けている。

だからこそ周囲の人間には理解できない行動を取り続けているように見えるのだと思う。

ハルはゴールから逆算して行動する

第32話「ハル無双」は、その象徴のようなエピソードだった。

ハルの目的は皇興業の親玉に近づくことだった。

普通の人ならどうすれば会えるかを考える。

しかしハルはもっと先まで考えている。

事前にウェーターを取り込み、ワイン騒動を発生させる。

そしてマウスウォッシュで問題を解決することで相手に強烈な印象を残す。

重要なのはワインをこぼすことではない。

皇興業との関係を築くというゴールに向かうための一手だったことだ。

ハルは常に最終地点から逆算して今やるべきことを決めている。

だから行動に無駄がない。

ハルは一つの出来事を終わらせない

5巻では暴露系配信者を利用した一連の流れも描かれる。

普通ならスキャンダル騒動が収まった時点で話は終わりだ。

しかしハルはそこで終わらせない。

暴露系配信者への貸しを皇興業への貸しへ変える。

そして最終的には共同出資による新会社設立へ繋げる。

一つの出来事を一回の成果で終わらせない。

常に次の展開へ利用していく。

ハルが凄いのは目の前の勝負に勝つことではなく、その勝利を次の勝利へ変換していくところだと思う。

仲間を信頼しているから大きな勝負ができる

ハルは策士として描かれることが多い。

そのため何でも一人でやっているようにも見える。

しかし実際は違う。

ドラゴンバンクによる株価急落の場面では、蛇島が自分を切り捨てることを提案する。

それでもガクたちは仲間だからできないと答える。

トリリオンゲーム社は単なる利益集団ではない。

仲間を信頼する関係があるからこそ、危険な勝負にも挑める。

ハルが未来への道筋を描けるのも、自分一人で実現しようとしているからではなく、一緒に実現してくれる仲間がいるからなのだろう。

面白いものは勝つと信じている

プチプチランドのサービス開始前日。

ドラゴンバンクは新作ゲームをぶつけてくる。

タイミングとしては最悪だ。

しかしハルは焦らない。

自分たちのゲームが面白いと信じているからだ。

この姿勢は5巻を通して一貫している。

株価。

宣伝。

資金調達。

そうしたビジネスの仕掛けは数多く登場する。

それでも最後に勝負を決めるのは商品そのものの価値だとハルは考えている。

だから土壇場でもブレない。

未来への道筋を描けるのは、自分たちが目指しているものを信じているからでもあるのだと思う。

ハルはなぜここまでできるのだろう

プチプチランドは売上50億円を突破し、大成功を収める。

投資家にも利益が還元され、トリリオンゲーム社は大きく成長した。

しかし読んでいて気になったのは成功そのものではない。

なぜハルはここまで先を読めるのだろう。

なぜ誰も思いつかない方法を次々と実行できるのだろう。

5巻はソシャゲ編の成功を描く巻であると同時に、ハルという人物の底知れなさを改めて感じさせる巻でもあった。

そしてその凄さは、未来を想像する力ではなく、未来へ辿り着くまでの道筋を描く力にあるのだと思う。

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