既に4巻まで出版されていますが、板垣巴留先生が描く『タイカの理性』1巻を初めて読みました。
連載デビュー作の『BEASTARS』も読んでいますし、その後の連載作品『SANDA』も現在読んでいる途中です。
今回読んだ『タイカの理性』には、板垣巴留先生が仕掛けた“ある作戦”のようなものを感じました。
本記事では、その作戦を中心に深掘りしていきたいと思います。
『タイカの理性』1巻のあらすじ(ネタバレ控えめ)
主人公は女子高生の亜緒と、そのペットであるピットブルのタイカ。
ある日、亜緒が家に帰ると父親が亡くなっており、その側にはタイカがいました。
タイカが父親を殺したと思った亜緒はタイカを守るために父親の死体を誰にも見つからないように遺棄します。
父親が見つからないまま1ヶ月が経過。
誰にも疑われないまま平穏に過ごせると思いきや、ある日突然タイカがヒト化していました。
少子化対策の一環で「ペットのヒト化」が当たり前になった世界。
亜緒とタイカは強烈な秘密を共有しながら学校生活を送ることになります。
ここまでが極力ネタバレを避けた1巻の範囲でのあらすじです。
本作の舞台は人間とヒト化したペットが共存している世界です。
ヒト化したペットの中には猫がヒト化したキャットマンなどもいるようですが、便宜上この記事ではヒト化したペットをすべて「ドッグマン」と呼ぶことにします。
1巻の段階では、ヒト化した主要人物は犬しか登場しないため問題ないと思います。
板垣巴留作品の「合わせ技」が起きている
板垣巴留先生はこれまで、
獣人しか登場しない『BEASTARS』
人しか登場しない『SANDA』
という2つの方向性の作品を描いてきました。
そして今回はその両方を合わせ持つような「獣人と人が共存する世界」を『タイカの理性』で描いています。
ではなぜ、板垣巴留先生は過去作の要素を合わせ持つような作品を描いたのでしょうか。
それが本記事の冒頭で書いた“作戦”に繋がります。
板垣巴留先生の作戦=話題性『タイカの理性』1巻の表紙に写る亜緒とタイカを見て、こう思いませんでしたか?
「BEASTARSとSANDAみたいなのが始まった」
実際に読み進めていくと、
『SANDA』のような少子化に触れた設定
『BEASTARS』のようなドッグマンの存在
この2つが同時に盛り込まれています。
つまり本作には、SNSでつい語りたくなるような「過去作品を彷彿とさせる設定」が意識的に散りばめられているように感じます。
それを意識して読むと気づきが多く、例えば1話冒頭で亜緒とぶつかったドッグマンは、どこか『BEASTARS』に出てきたジャックに似ているようにも見えました。
さらに読み進めていくと、「もしかしてBEASTARSの世界になる前の前日譚なのでは?」とすら思えてきます。
まとめ
このように『タイカの理性』は、つい人に話したくなったり、SNSで書きたくなったりする話題性を強く意識して作られているように思えます。
もちろん、これが本当に板垣巴留先生の狙いなのかは分かりません。
ただ、この視点を持って読むと『タイカの理性』がより面白く読めるのではないでしょうか。


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