最近話題になっている『みいちゃんと山田さん』の1巻を読み直しました。
元々アプリで読んで連載も追っていましたが、改めて読んでもやっぱりしんどい。
この作品は、2012年の歌舞伎町が舞台です。
キャバ嬢として働く山田さんが仕事の出来ないみいちゃんと出会い、みいちゃんが殺されるまでの12ヶ月を描いた物語。
まだ完結はしておらず、みいちゃんが誰にどう殺されたのかは分かっていません。
気になる部分ですが、この記事ではそこには触れません。
この漫画はとことん救いがないです。
第1話の冒頭は山田さんがみいちゃんの墓前に手を合わせる場面から始まります。
タイトルにある「みいちゃん」が、すでに死んでいることが最初から分かる。
さらに第1話のラストでは、みいちゃんの死体と「みいちゃんが殺されるまで12ヶ月」という文字が出てきます。
つまり読者は「みいちゃんが死ぬ」ことが分かった状態で、この物語を追うことになります。とても強烈な第1話でした。
1巻は、みいちゃんを中心に描かれているように感じました。
みいちゃんは中卒で簡単な漢字も読めません。
1巻の中で印象的なエピソードがあります。
みいちゃんはグラスを割る数があまりにも多く、みいちゃんだけ無地のプラスチックコップにされます。
それでも「みんなと一緒でいたい」みいちゃんは、それを嫌がります。
イヤイヤ使っていると、お客さんに「幼稚園のコップみたいだな」と言われてしまいます。
同じ卓にいた山田さんは止めますが、みいちゃんは余計に落ち込みます。
するとそのお客さんは山田さんに「絵を描いてあげたら?」と提案します。
山田さんが以前、お客さんのキープボトルに絵を描いたことを覚えていたようです。
みぃちゃんに頼まれて渋々プラスチックコップに絵を描く山田さん。
描かれた絵はとても可愛くて、みいちゃんはすごく喜びます。
みんなとは違うプラスチックコップであることは変わりません。
でもみいちゃんは、そこを忘れてしまう。
絵が描かれたプラスチックコップに、あっさり満足してしまいます。
この「簡単に納得してしまう危うさ」が、今後みいちゃんを襲う苦難に説得力を持たせています。
そしてその直後、読者にはみいちゃんがお客さんに対して「鬼枕営業」をしていることが分かります。
短絡的な思考が、強烈な形で表れているお話でした。
ここまでが『みいちゃんと山田さん』1巻の、ほんの一部です。
それでも頭痛がしそうなくらい、救いがない。
これを漫画として面白いと取るのか、可哀想という哀れみとして受け取るのか。
読む人それぞれだと思います。
ただ、間違いなく強烈な読書体験でした。
しんどいのに、目が離せない。
そして読み終わったあと、現実の見え方が少し変わります。


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