ナルトが里の大人達から避けられていた理由は、九尾が封印されていたからだけではありません。本当の原因は「恐怖」と「責任転嫁」にありました。
この記事では、NARUTO1巻の描写をもとに、大人達がナルトを孤立させた理由を解説します。
先日、テレビでNARUTOが特集されていて懐かしさでNARUTOの1巻を読み直しました。
最後に読んだ日から恐らく10年以上経過していると思いますが、子供の頃には気づかなかった描写が刺さって、読み方が変わりました。
今回いちばん強く感じたのはこれです。
主人公、ナルトの孤独感がリアル。
小中学生の頃は、ナルトの孤独を見ても「かわいそうだな」くらいの感想でした。
でも今読むと、ナルトの醸し出す孤独感がリアルすぎて、胸が痛くなります。
それを演出するのは里にいる大人達のナルトに対する距離感の様に感じました。
本記事はNARUTOのネタバレを含みます。
九尾の存在と大人達の恐怖
NARUTOの主人公ナルトには里を壊滅状態にまで追いやった九尾が封印されています。
周りの大人達はそんなナルトを「バケモノ」と言っています。
ですが、ナルトに面と向かって「バケモノ」と言う人物は、第1話のミズキだけです。
それ以外の大人達は直接言葉をぶつけません。
ただ、遠巻きに見て聞こえない声で噂をします。
しかも言っているのはナルトの行ったイタズラの話ではなく、ナルトに封印された「バケモノ」の話です。
無視という“見えない暴力”
ナルト本人の気持ちや必死に注目を集めようとする行動には誰も触れません。
この「無視をするリアルさ」が生々しい。
そもそも里にはバケモノのことを口にしてはいけない掟があります。
ナルトは知らないはずなのに空気だけで避けられていることに気づいています。
特に印象的なのが第1話のブランコのシーンです。
卒業試験に落ちたナルトが合格して親に褒められる同級生達をブランコに乗って遠くから見ています。
しかも普通に座るのではなく、またがって紐を両手で強く掴んでいる。
あの姿が、何かにすがりたい気持ちや甘えたい気持ちに見えました。
それを見ている大人達がナルトに聞こえない声で言います。
「あんなのが忍者になったら大変よ」
ナルトは聞こえていないはずなのに何も言わずにその場を去ります。
つまりナルトが嫌われていたのは「本人の行動」ではなく「九尾の記憶を思い出させる存在」だったからです。
では、なぜ三代目火影はこの状況を放置していたのでしょうか。
里を守るために九尾の存在を隠す必要があった一方で、ナルト個人の心までは守れなかった。
ここにもまた大人達の“都合”が見え隠れします。
イルカ先生が特別だった理由
この徹底した孤独の描写があるからこそ、NARUTO第1話においてナルトの理解者、イルカ先生の存在がより光ります。
そして、ここからナルトが少しずつ里に、そして大人達に認められていく物語がより面白くなります。
子どもの頃には気づかなかったけど、大人になって読むと悲しくなるほど生々しい。
ですが、その先に待っているナルトの成長物語が見ていて楽しくなる。
NARUTOはそんな作品でした。
ナルトの孤独がどれほど丁寧に描かれているかは、1巻を読み返すとより鮮明に伝わります。


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